【現役ドライバー解説】都内のタクシー充足率93.7%に回復。現場で「道を知らない新人」が増えたリアルな実態
どうも、「たくのり」管理人です。組合にも属さず、東京の喧騒をマイペースに走り抜ける「完全無所属ぼっち個人タクシー」をやっております。今日も「無事故・無違反・無クレーム」でお仕事を終え、深夜の静かな部屋でお茶を飲みながら自称タクシージャーナリストとして最新の業界データを見つめております。

ここ数年、世間では「タクシーが捕まらない!」「ドライバー不足だ!」と大騒ぎされ、ライドシェアの導入議論まで活発に行われてきました。しかし、実際のところ「ドライバーは本当に足りていないのか?」という疑問について、東京交通新聞に非常に興味深い最新データが掲載されていました。
「全国ハイヤー・タクシー連合会によると、全国の乗務員数は5月末時点で24万5,919人となり、コロナ禍前の2020年3月末と比べた充足率は87.2%(前月比0.3ポイント増)となった。全国的にはまだ不足感が残るものの、都市部での回復が目立つ。
地域別では、大阪A(大阪市域)が100.2%に達し、全国で初めてコロナ前を上回った。東京A(特別区・武三地区)も5万4,568人で、コロナ前比93.7%まで回復している。一方で、鹿児島(71.1%)や福岡A(71.3%)など、地方では依然として深刻な不足が続いている。」出典:東京交通新聞
データを一言でまとめるなら、「全国的にはまだ足りないけれど、都市部(特に大阪・東京)はほぼ元通りになりつつある」ということです。この現実について、一人の現場ドライバーとして思うことを本音で語ってみたいと思います。
「タクシーが足りない」は過去の話?大復活を遂げた都市部のリアル
データが示す通り、都市部のタクシー復活の勢いは凄まじいものがあります。
特に大阪A(大阪市域)の100.2%という数字には驚かされました。インバウンドの爆発的な増加や、さまざまなビッグイベントの影響もあるのでしょうが、ついにコロナ前を超える水準までドライバーが戻ってきたわけです。
私が日々走っている東京A(特別区・武三)も93.7%まで回復しています。現場を走っている私の肌感覚としても、これは完全に一致します。
一時期の「駅前に誰もいない、アプリを鳴らしても空車ゼロ」という絶望的な状況は過去のものになりつつあります。最近では、主要な駅のタクシー乗り場に向かうと、タクシープールから溢れんばかりに同業者の車列が並んでいる光景をよく目にするようになりました。
お客様にとっては「いつでもすぐに捕まる安心な街」に戻りつつあるわけで、これは非常に喜ばしいことです。……ただ、我々ドライバーにとっては、別の意味で胃がキリキリする状況でもあります。
ライバル大増殖の裏で、平均年齢「59.6歳」という高齢化の現実
そう、ドライバーが戻ってきたということは、「パイ(お客様)の奪い合いが激しくなった」ということでもあります。
コロナ禍の「タクシーがいなくてお客様もいない」が、今では遠い昔のようです。乗り場に行けば、大手の車両がズラリ。
「道を知らないドライバーが増えた」とお客様に言われる事が増えましたが、それが証左なのでしょうね。ドライバーが元の水準に戻ってきたと言う事は必然と新人ドライバーの比率が増加したという事です。
また、もう一つ注目すべきは、全国の乗務員の平均年齢が「59.6歳」というデータです。
ほぼ還暦です。大手を中心に新卒を積極的に採用してはいますが、若い世代がなかなか入ってこないという業界の構造的な課題は、数字の上でも改善されていません。今戻ってきているドライバーも、シニア層のセカンドキャリアや人手不足を背景とした女性ドライバーの積極採用によるものなのだと思われます。
まとめ|都市部では「待てば乗れる」日常が戻りつつあります
今回のデータを踏まえると、少なくとも東京や大阪といった大都市部においては、「アプリで呼べない、乗り場に一台もいない」という最悪のピーク期は脱したと見て良さそうです。
ただ、地方においては依然として7割台の充足率という深刻な状況が続いています。需要はあっても働き手が無いのでタクシー会社が倒産する悪循環。大都市のように「とにかく待っていればそのうち来る」というわけにはいかないのが、地方の厳しい現実です。都市部と地方で、タクシーの利便性の格差はますます広がっていくのかもしれません。
さて、私はと言えば、ライバルは増えましたが、焦って事故を起こしては元も子もありません。「中の上」の平穏な売上を目指し、今日もマイペースに営業をすることにいたします。皆様も、移動の際はぜひお近くの乗り場から。





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