【明日は我が身】千葉豪雨でタクシー161台が水没。「稼がない事が稼ぎとなる場合」

「たくのり」管理人です。組合にも属さず、東京の街をのんびりマイペースに走る「完全無所属ぼっち個人タクシー」を営んでおります。本日も「無事故・無違反・無クレーム」を最優先に、安全運転でお仕事を終えてまいりました。
先日、手元に届いた業界紙を読んでいたところ、同じプロのドライバーとして、背筋が凍るような痛ましいニュースが掲載されていました。
それは、2026年8月中旬に発生した「千葉豪雨」による、タクシー業界への甚大な被害のニュースです。
「8月13日に発生した千葉豪雨は、バス、タクシーにも大きな被害をもたらした。国土交通省の集計によると、タクシー関係は44社で車両の水没や設備損傷などがあり、水没した1台で乗客1人が死亡した。
千葉県タクシー協会の集計では、43社161台で水没、浸水などの被害を受けた。バッテリーの不具合やワイパー故障など軽微なものも含まれるが、11の営業所で浸水、停電、断水があり、一時休業を余儀なくされた。千葉市内での被害が最も大きかったようだ。」
水没したタクシーの車内で、乗客の方がお一人亡くなられたとのこと、まずは心より哀悼の意を表します。
そして、「161台の水没・浸水」という数字。これは決して、千葉のドライバーさんたちだけの他人事ではありません。今回は非常にイレギュラーな記録的豪雨でしたが、これからの台風、大雪など、全ての悪天候時に私たちドライバーがどう行動すべきか、重い教訓を突きつけられた気がします。
悪天候の日こそ、売上の誘惑を断ち切って「速攻で避難する」のがプロの鉄則
台風やゲリラ豪雨、あるいは大雪の日。街中には、交通機関が麻痺して困り果てた「タクシー難民」のお客様が溢れかえります。
タクシー乗り場には長蛇の列。アプリをオンにすれば秒単位で注文が鳴り響き、流せば一瞬でお客様が見つかる。売上重視のギラギラしたドライバーたちにとっては、まさに「稼ぎ時」に見えるかもしれません。現に、そういう日を狙って泥臭く売上を伸ばすスタイルの知人もいます。
しかし、私の見解は異なります。
私は、「雲行きが怪しくなったり、ゲリラ豪雨が降り出した時点で、一旦営業を切り上げて安全な場所で休憩するか、いっそ会社や自宅に帰るべき」だと考えています。
私のモットーは、「無事故・無違反・無クレームで長く細く、安定して続けること」です。悪天候の日に「稼げるから」と無理をして走ることは、得られる売上に対して失うリスクが大きすぎる、割の合わないギャンブルだと考えます。つまり稼ごうとしない事が稼ぎという事です。
「ちょっとくらい大丈夫」という過信が、車も命も奪う
都内を走っていても痛感しますが、豪雨時のアンダーパス(立体交差の下をくぐる窪んだ道路)や、排水が追いつかなくなった道路の冠水は、想像以上のスピードで水位が上がります。
「このくらいの深さなら、勢いよく行けば渡りきれるだろう」
その一瞬の過信が命取りになります。マフラーから水が入り、エンジンが水を吸い込んで止まってしまえば(ウォーターハンマー現象)、もう車はビクとも動きません。あっという間に電子ロックが作動してドアも窓も開かなくなります。
ましてや、後部座席にお客様をお乗せしている状態なら、私たちは自分だけでなく「お客様の命」をも預かっているのです。お客様に急かされたとしても、危険な冠水ルートを避ける、あるいは「これ以上は危険なので運行を中断します」と毅然と判断する。これは当然運送法で認められています。
このような判断もプロのドライバーとして重要なスキルの1つではないでしょうか。
まとめ|愛車と自分の命を守ることが、何よりの「稼ぎ」です
今回の千葉豪雨での161台の水没というニュースは、明日は我が身かもしれない、本当に恐ろしい現実です。個人タクシーにとっては特に、車が浸水して廃車になれば、生活の糧を失うだけでなく、何百万円もの損失を抱えることになります。
だからこそ、私はチキンと呼ばれようが、悪天候の日は無理をしません。空が暗くなり、道路に大きな水たまりができ始めたら、そそくさと営業を終了します。それこそが、長期的に見て一番の「節約」であり「稼ぎ」なのだと確信しています。





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