タクシーに自転車は載せられない理由

タクシーのお仕事

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タクシー業を行っていて稀に発生するのが「一緒にこの自転車も乗せてくれないか」という依頼。
自転車で出掛けたは良いけど、帰りは怠くなってしまったのか。或いはパンクや故障で走れなくなった為か。
いずれにせよ厄介な事になる。

タクシーと自転車

まず結論から言うと、通常のサイズの自転車はタクシーには乗らない。
これはセダンタイプでもJPNタクシータイプでも同様で、トランクや座席を倒しての車内でも無理。
唯一7人乗りの大型タクシーなら可能ではあるけど、一般的ではないので今回は除外。

たまに無理矢理トランクに押し込んで、タイヤが思いっきり飛び出している状態で紐で固定して走っているセダンタイプを見ることがあるが、あれはかなり危険なのでどうか真似をしないで欲しい。あれを見て載せているのを見た事があるから可能だろうと思わないで欲しい。お客さん側も運転手側も。

まずトランクが通常通り閉まらない時点で過積載なので、何か違反や事故があった場合は余計な追求を受けることになる。加えて坂道やデコボコ道で万が一紐がずれて路上に落下した場合、後続の自動車やバイクがどうなるか想像に難くない。下手をすれば業務上過失致死罪だ。

このトランクの無理矢理自転車積載は載せるのも一苦労で、何度もトライして結局安定させられずに断念するという経験を、5年くらいタクシードライバーでやっていれば一度はするもの。
載せたがっていたお客さんも、一緒に試行錯誤するが余りにも安定しないので諦めて去っていく。
ドライバーにとっては限られた営業時間が無駄になるばかりか、ボディに自転車の擦り傷が残ることも多く踏んだり蹴ったりだ。
私自身も法人タクシー時代に依頼された事は何度もあり、その度にトライしたものの結局載った事は一度もない。法人時代後期は載らない事を知りつつも、お客さんに見せないと納得してくれない事が多いのでパフォーマンスとしてやっていた具合だ。

「これ片方タイヤ外れるんで多分いけるよ」
そんなお客さんもいた。
しかしその場でそのロードタイプ自転車の片輪を外して頑張って見たが、15分くらい試行錯誤して結局安定せずに断念するという。
場所はタクシー乗り場だったので、後ろのタクシーが次々お客さんを乗せて先に行くのが切なかった。
個人タクシーになってからはボディの損傷が余計気になるので、丁寧に説明して断っている。
もちろん過積載の乗車申し込みを断るのは乗車拒否には該当しないので、こちらとしては当然の主張ではあるけど、簡単に載ると信じているお客さんをむげに断ると乗車拒否と勘違いをされてしまうので、そこは丁寧な説明は必須だ。

結論、タクシーに自転車は載らない。
物理的に載っても、そのまま走行すると安全を確保できない違法状態になってしまう。
この事はどうか、タクシーを利用する方もドライバーの方もご理解頂きたい。

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