【ナビがあっても?】タクシー車内の地図の備え付け義務とは
都市部タクシーのカーナビ普及率はほぼ100パーセントとなり、地方ローカルでも装着が一般的になりつつある中で、昔ながらの紙の地図の必要性はかなり低下していると言えます。
実際私がタクシー業界に入ってからの13年間で、お客さんが乗っている状態で使用した事は殆どありません。道の学習には使いますけどね。
カーナビの普及に伴って多くのドライバーさんは地図を殆ど使用しなくなったので、もはや車両に乗せていないタクシーも多いのではないかと思う人もいらっしゃるでしょうか。
しかし実は地図の搭載は法律で定められていて、その規格や更新に関してもこまめに行わなければならないのです。
運輸規則29条(地図の備付け)
道路運送法運輸規則第二十九条 一般乗用旅客自動車運送事業者は、事業用自動車に少なくとも営業区域内の次の事項が明示された地図であって地方運輸局長の指定する規格に適合するものを備えておかなければならない。
一 道路
二 地名
三 著名な建造物、公園、名所及び旧跡並びに鉄道の駅
四 その他地方運輸局長が指定する事項
運輸規則の29条はこのような条文になっており、これを噛み砕いて解釈すると、タクシーやハイヤー等の一般乗用旅客自動車は、営業区域内の一定の情報が盛り込まれた地図を車内に備え付けておかなければならないという事です。
つまり地図を搭載していないタクシー及びハイヤーは法令違反という事になります。
一定の情報というのは要するに”使える地図”である必要がある為、道路、地名はもちろん、建造物の名前などの情報も入っているという事ですね。
ちょっとでも古い地図は使えない!?
法令の規定に、”備え付ける地図は発行年月から2年以上経過していないものであること”とされています。
例えば2020年1月1日発行の地図の有効期限は2021年12月31日までという事になります。
こまめに更新しないといけない事が分かります。
しかし地図は結構高額
例えば関東運輸局監修で東京タクシーセンターが1月と7月の年に2回発行しているタクシー及びハイヤードライバー向けの都内交通案内地図は、掲載内容に関しては文句なしの合格。
しかし1冊税込み3000円弱(年によって微妙に価格が変わる)と、これが結構高い。
情報が詰まった地図なのである程度高額なのは仕方ないのだけど、殆ど使用しない地図を2年ごとに購入していくのは何だか無駄な気がします。
必要な事項が明記されていれば他の市販の地図でも使えますが、タクシーセンター発行の地図ならば間違いがないので、多くのタクシー会社や個人タクシーが採用しています。
やはり利権が絡むのか
カーナビが普及した昨今、地図の必要性は低下していて、少なくとも何らかの改正があって然るべきだと思います。
カーナビの地図が一定の新しさならば、紙の地図の備え付けは免除されるなど。
実際殆どのタクシーで、一度も開かない地図を2年毎にただ新しいものに交換し続ける行為は、どう考えても無駄。
それでもこの法令にテコ入れが成されないのであれば、そこには地図の印刷、発行、販売元による利権が絡んでいると推測せざる負えないのです。
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