酔って帰れない父親の為に息子が描いた精巧な物とは
昔銀座でよく飲んでいたっていうダンディな男性のお客さんからのお話。
帰りは決まってタクシーだったんだけど、酔っ払っちゃうと途中で寝ちゃうんだと。
運転手さんに「もうそろそろじゃないですかー?」って言われるんだけど、いつも「まだ真っ直ぐ」って答えちゃうんだって。
すでに家は通り過ぎているのに。
まぁこの酔った人が「まだ真っ直ぐ!」って答えるっていうのはタクシーあるあるなんですよね。
酔ってたり寝ぼけていたりすると何故か「真っ直ぐ」って答えてしまう。
それが何度も続いてしまっていたから、当時小学生だった息子が気を利かせて最寄りの高速道路のインターから家までの地図を描いて渡してきたんだって。
「飲みに行くときはこれを持って、タクシーの運転手さんに渡せば帰れるから」って。
20年以上前の話で、当時まだタクシーにナビが搭載されていなかった頃。
でも小学生の描いた地図ってどうなんだろうって思うじゃないですか?
これが几帳面な息子さんだったらしく、ものすごく精巧に、かつ分かりやすく描かれていたからそれさえ渡せば確実に家まで帰れたんだそう。
運転手さんに渡した途端に「ああーここですねーこれならバッチリです!」ってな具合だったらしい。
そんな息子さんは現在某一流企業で経理を担当しているんだそう。
いかにもっていうお仕事をしているんですね。